【3月25日 CNS】阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding)傘下の物流会社、菜鳥網絡(Cainiao Network)が、運営する宅配便受け取りロッカーの「菜鳥驛站(Cainiao Yizhan)」で「顔認証荷物受け取り」機能の運用を始めた。カメラ搭載型の全スマートロッカーが対象。

 菜鳥驛站のスマートロッカーは、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービス「ラストワンマイル」サービスの一つで、展開地域は北京、上海、広州(Guangzhou)、深セン(Shenzhen)などを含む全国の大・中都市を網羅している。

 菜鳥驛站の趙徳山(Zhao Deshan)シニアエンジニアによると、技術チームはアリババとの協力によって半年以上かけて技術的困難を克服、画像処理の際のグレースケール最適化を行い、室外環境における顔識別技術を研究・開発。ユーザー認証フローを設けることで、安全な荷物受け取りを保証するという。

 趙シニアエンジニアは、「顔認証ではシステムは1秒以内で反応し、ユーザーは迅速に、特に何も操作せずに荷物を受け取ることができる。またシステムは、写真や動画では認証せず、照合検査や生物学的検査などを数多く行うことで、受け取り人が正確に認証される仕組みになっている」と説明する。

 また、美容整形などでユーザーの顔に大きな変化があった場合には、スマートロッカーで写真を更新することも可能だという。

 菜鳥驛站のスマートロッカーは一部地域で早くから運用を始めており、顔認証荷物受け取りの記録はすでに100万回を超えている。技術更新を繰り返し、現時点では誤認証によって荷物の受け取りが正しく行われなかったという問題は起きていない。(c)CNS/JCM/AFPBB News