【3月22日 AFP】ニュージーランド南島クライストチャーチ(Christchurch)のモスク(イスラム礼拝所)で15日に起きた銃乱射事件は、白人至上主義の動きが世界的に広がっていることを浮き彫りにした。白人至上主義者は自分たちの想像する「欧州人」による理想の世界を唱え、移民を排斥し、インターネットで移民の脅威を憎々しげに訴える。

 白人至上主義者による攻撃は、組織に属さず、点在し、注目を集めるために攻撃を行うローンウルフ(一匹おおかみ)型に特徴づけられる。50人が死亡した今回の事件の容疑者とされるオーストラリア人の男(28)もローンウルフ型で、犯行声明とみられる文書「マニフェスト」では、欧州で起きた「テロ攻撃」の報復に「移民を一掃」すると主張していた。

 白人至上主義者はネット上で密接に結び付き、欧州からロシアに広がり、米国とカナダで信奉者を生んでいたが、今回の事件でオーストラリアとニュージーランドにも存在することが分かったと専門家は指摘する。今や白人至上主義は、イスラム過激派に匹敵する国際的な脅威となり、特にその傾向は米国で著しいと言う。

 米カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校(California State University, San Bernardino)のヘイト・過激思想研究センター(Center for the Study of Hate & Extremism)代表ブライアン・レビン(Brian Levin)氏はこう語る。「白人至上主義と極右過激主義は、今日の米国が直面している過激派の脅威の中でも最大のものと言えるが、実際には世界的に広がっている現象だ」「彼らは人口構成の変化を恐れていて、白人ジェノサイド(大量虐殺)という表現を用いる」