【3月22日 AFP】米海兵隊のロバート・ネラー(Robert Neller)総司令官(大将)が、メキシコ国境への部隊展開とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の国境の壁建設計画によって、海兵隊に「受け入れがたいリスク」がもたらされると警鐘を鳴らしていたことが分かった。米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が21日、報じた。

 ネラー総司令官は、パトリック・シャナハン(Patrick Shanahan)国防長官代行とリチャード・スペンサー(Richard Spencer)海軍長官に宛てた3月18日と19日付の文書の中で、5か国での演習を中止または縮小せざるを得なくなったと述べた。海兵隊はインドネシア、英スコットランド、モンゴルでの軍事演習を中止するほか、オーストラリアや韓国での合同軍事演習への参加も減らすことになるという。

 海兵隊の報道官は、ロサンゼルス・タイムズ紙の報道を事実と認めた。

 ネラー総司令官は、トランプ大統領が非常事態を宣言して国防総省などの予算から67億ドル(約7400億円)を壁建設予算に振り向けるよう命じたことで、ハリケーンに被災したノースカロライナ州とジョージア州の基地再建予算を捻出できない恐れがあるとの見解を示した。シャナハン国防長官代行は、大統領が求めた予算をまだ拠出していない。(c)AFP