【3月21日 AFP】「国際幸福デー(International Day of Happiness)」の20日に国連(UN)が発表した「世界幸福度報告書(World Happiness Report)」2019年版で、北欧のフィンランドが「世界で最も幸福度が高い」との結果が出た。幸福度が最も低いとされたのは、戦乱で荒廃した南スーダンだった。

 報告書は世界156か国を対象に、市民に自分が幸福と感じる度合いを尋ねた結果と、平均余命や収入、社会的支援などのデータを総合して、経済学者のジェフリー・サックス(Jeffrey Sachs)氏らが評価したもの。

 森と湖、サウナを愛する国民で知られる人口550万人のフィンランドは、2年連続で幸福度ランキング1位となった。トップ10には他の北欧諸国とオランダ、スイス、カナダ、ニュージーランド、オーストリアが入った。

 また、英国は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる政治的混乱にもかかわらず、前年から順位を4つ上げて15位だった。近年、幸福度が下がり続けている米国は前年よりも1つ下げて、19位だった。

 報告書は、世界全体の幸福度は近年落ち込み傾向にあると警鐘を鳴らしている。一方、幸福度の高い国では軒並み、指標とされた項目の全てで評価が高かったのに加えて、社会が非常に安定している傾向があり、2005年時と比べても幸福度にほとんど変化がなかった。

 幸福度ランキング最下位だった南スーダンは、内戦で推計40万人が死亡。最近の国連発表によると、内戦後は住民の60%が食料不足に直面している。(c)AFP