【3月19日 AFP】中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)をめぐる安全保障上の懸念について米・欧州間で議論が過熱する中、ドイツで19日、第5世代(5G)移動通信網構築用の周波数割り当ての入札が始まった。

 米国は、中国製品が欧米の企業や政府への中国政府によるスパイ活動に利用されている恐れがあると主張し、ドイツにはファーウェイ製品を排除しなければ機密情報の共有をやめると圧力をかけている。

 ドイツ連邦ネットワーク庁(German Federal Network AgencyBNA)のヨッヘン・ホーマン(Jochen Homann)長官は外国企業の参入について、「スウェーデンであろうと中国であろうと企業は認可条件を満たし、安全性の審査に通らなければならない」と述べるなど、騒ぎの火消しに躍起だ。

 ワイヤレス通信のダウンロード速度で世界46位にとどまる欧州最大の経済国ドイツは、5Gへの移行によりデジタル分野での大幅な遅れを取り戻したいと考えており、入札で周波数を勝ち取った企業は98%の世帯や国内の高速道路、鉄道線路に回線を行き渡らせる必要がある。

 周波数割り当ての入札に参加するのはドイツテレコム(Deutsche Telekom)、ボーダフォン(Vodafone)、テレフォニカ・ドイツ(Telefonica Germany)、ユナイテッド・インターネット(United Internet)の4社。

 ファーウェイは入札には参加していないものの、入札参加4社にアンテナやルーターなどの重要機器を提供している。(c)AFP/Ryland JAMES