AI作曲ソフトは、音楽制作の主流になり得るか?
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【3月27日AFP】米テキサス州で今月開催された音楽や映画の祭典「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」では、人工知能(AI)がすでに音楽業界に入り込み、楽曲作りに活用されている現状が浮き彫りにされた。
世界で初めて全曲をAIで作曲した画期的な音楽アルバムは、すでに昨秋リリースされている。動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」で人気を集めるポップアーティスト、タリン・サザン(Taryn Southern)さんのアルバム「I Am AI」だ。
サザンさんは楽器の演奏はまったくできないが、2年前にAI作曲ソフト「アンパー・ミュージック(Amper Music)」を使った楽曲作りを始め、アルバムに収録されている全8曲をAIで作曲した。
SXSWのパネルディスカッションに登壇したサザンさんは「もともと詩を書いたり、メロディーを考えたりはできたけれど、曲として録音することができなかった」が、AI作曲ソフトを使い出して「2日後には、1曲出来上がっていた。自分の曲だって満足できた」「つまり、他のミュージシャンに演奏を頼らずに済むということ」だと語った。
このAI作曲ソフトを提供している米企業「アンパー・ミュージック」は、エンジニアやミュージシャンらのグループによって2014年にニューヨークで設立された。AIを使って従来の作曲法を変革しようとするスタートアップ企業の一つだ。
同社の共同創設者で最高経営責任者(CEO)のドリュー・シルバースタイン(Drew Silverstein)氏はソフトを開発した狙いについて、人間の作曲家に置き換わることではなく、むしろ彼らの目標達成のためにソフトを使ってもらうことだと話す。
「『アンパー』のアイデアは、経歴や技能に関係なく、誰もが音楽を通じて自分自身を表現できるようにすることだ」とシルバースタイン氏。