■チャート入りは難しいが、聞き心地は十分

 このソフトではユーザーが、ラップやフォーク、ロックといった音楽ジャンルや、悲しいとか楽しいといった感情、またドライブ中といったシチュエーションを選択すると楽曲が出来上がる。後からテンポを変えたり、楽器を変えたり加えたりして満足がいくまでアレンジすることも可能だ。

 今回のSXSWで同ソフトが実際に制作した2曲は明らかに音楽チャートの上位には入りそうになかったが、聞き心地という点では申し分なく、ビデオやコンピューターゲームのバックミュージックとしては完全に通用しそうだった。

■AIはどこまで人に迫るか

 コンピューター・テクノロジーの第一人者でストラテジストのジェイ・ボワソー(Jay Boisseau)氏は、今後はますますコンピューターによる楽曲制作が盛んになるが、機械が完全に人に置き換わることはないと予想する。

「機械はパターンを見つけることはできるが、人間のように訓練されたこと以上の領域にまで足を踏み入れることは、あまり得意ではない。つまりは道具でしかない」とボワソー氏。

 またシルバースタイン氏も、AIは「答えがイエスかノーか」という場合に客観的な結果を得ようとする際には役立つが、アーティスティックな試みとなると完璧さからは程遠いと強調している。

 ボワソー氏は、AIは「まだアルゴリズムのまま」で、「人々が(出来た楽曲を)楽しめないというわけではないが、画期的というわけでもない」「現代の最先端技術の割には、『クリエーティブ』とは言い難い」と述べた。ただし、同氏は急いで「現段階では、だ」と付け足した。(c)AFP/Laurent BANGUET