2015年に世界保健機関(WHO)が発表した報告によると、中国では毎日7億4000万人(うち児童の1億8200万人を含む)が、喫煙者によるたばこの煙などで第三者に悪影響を及ぼす「受動喫煙」の被害にあっている。中国では毎年100万人以上が喫煙関連の疾病で死亡しており、うち10万人以上が受動喫煙によるものだとされる。

 そのため中国政府は8年前から、公共施設の屋内や作業場、公共交通機関などの喫煙を全面的に禁止した。しかし近年、新興産業となった電子たばこは現行法の対象外で、多くの喫煙者が電子たばこを購入し公共の場所で楽しむ姿が見られている。

 また14年にWHOが発表した報告では、電子機器によるニコチン伝送システム(いわゆる電子たばこ)によって排出される煙の中に、従来のたばこに含まれる発がん性化合物やその他有害物質が含まっていることを指摘している。あるブランドは、これら有毒物質の含有量がたばこから発生する煙と同等に高いことも分かっている。

 北京控制吸煙(訳:たばこコントロール)協会(Beijing Tobacco Control Association)の張建枢(Zhang Jianshu)会長は、「電子たばこで気化剤として使われるプロピレングリコールや香料などは、人体に深刻な影響があるのか証明されていないが、決して健康的なものではない」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News