【3月13日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で昨年、人権派市議で黒人や同性愛者の権利を推進する活動家だったマリエル・フランコ(Marielle Franco)氏(当時38)が殺害された事件で、ブラジル検察当局は12日、警官2人が逮捕されたと述べた。フランコ氏が殺害され同国に衝撃が走った日から間もなく1年を迎える。

 フランコ氏と同氏の運転手アンデルソン・ゴメス(Anderson Gomes)さんは政治活動家らとの会合を終えた2018年3月14日夜、リオデジャネイロ中心部で走行していた車から銃弾を浴び死亡した。これを受け世界各地で抗議デモが発生、ブラジルでも多くの人がデモに参加した。

 リオデジャネイロ検察当局は、車ですれ違う際にフランコ氏の乗った車に向かって銃弾13発を撃った容疑でロニー・レッサ(Ronnie Lessa)憲兵隊下士官(48)を逮捕したと述べた。またエルシオ・ビエイラ・デ・ケイロス(Elcio Vieira de Queiroz)元憲兵隊員(46)は、フランコ氏の後をつけた車を運転していた容疑で逮捕された。

 特別組織犯罪部門の検察官らは、犯行は3か月かけて綿密に練られたものだったと指摘。フランコ氏の政治活動と同氏が擁護する運動が原因となり同氏が「略式の処刑」を受けたのは間違いないと述べている。

 フランコ氏の助言者だったマルセロ・フレイソ(Marcelo Freixo)連邦議員は今回の逮捕について「決定的な一歩だが、事件はまだ解決されていない」と表明。グロボテレビ(Globo TV)に対し「誰が殺害を命令したのか?政治的動機は何だったのか?」と述べた。(c)AFP/Eugenia LOGIURATTO