【3月8日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は7日午前、首都オタワで記者会見を行い、建設大手SNCラバラン(SNC-Lavalin)に対する刑事訴追に「不適切」な介入をしたとの疑惑を否定した。同首相はこの疑惑をめぐり、就任後最悪の政治的危機に直面している。

 スキャンダルが拡大する中、首相の辞任を求める声もあるが、トルドー氏は疑惑について直接釈明し、危機から「教訓」は得たが不正行為は一切なかったと述べた。

 一連の危機は、ジョディー・ウィルソンレイボールド(Jody Wilson-Raybould)前司法長官の辞任をきっかけに起きたもの。首相とその側近らには、SNCラバランを贈賄罪での訴追から守るよう前長官に圧力をかけたとの批判がなされている。

 トルドー首相は記者団に対し、在任中の同氏と昨年9月に行った会話でSNCラバランの裁判に言及したことを認め、モントリオールの自身の選挙区で雇用に打撃が出る可能性について話したと説明。その一方、「発言は党派的な性質のものではなかった」と述べた。

 ウィルソンレイボールド氏は先月の下院司法委員会で、SNCラバランの事案をめぐり首相とその側近らから「遠回しな脅迫」を含む「継続的かつ長期的」な圧力を受けたと証言していた。

 首相はかねて、決定権がすべてウィルソンレイボールド氏にあることを明示したと主張しており、今回の会見でも「不適切な圧力はなかった」と反論した。(c)AFP/Michel COMTE