【3月6日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相とその与党・自由党に対する国民の支持率が、野党・保守党を初めて下回ったとする世論調査結果が5日に発表された。トルドー政権では前日、2人目の閣僚が抗議の辞任をしていた。

 カナダの建設大手SNCラバラン(SNC-Lavalin)の刑事訴追に対する介入疑惑に端を発した問題は、1か月足らずで政治危機へと発展した。今年10月の次期総選挙で自由党が敗北するとの見通しはこれまでの世論調査でも一貫して示されていたものの、最新の世論調査では国民が保守党への政権交代を望んでいることを示唆する結果となった。

 調査はテレビ局グローバル・ニュース(Global News)が世論調査会社イプソス・リード(Ipsos Reid)に委託し今月1日~4日に実施したもので、カナダ人1000人が回答。その結果、現時点でトルドー氏に投票する予定だと答えた有権者の割合はわずか31%と、数週間前の調査から3ポイント下落した。一方、保守党のアンドリュー・シアー(Andrew Scheer)党首の支持率は40%だった。

 トルドー政権はこのところ、ジョディー・ウィルソンレイボールド(Jody Wilson-Raybould)法相兼司法長官を皮切りに、ジェリー・バッツ(Gerry Butts)首席補佐官、そして今月4日にはジェーン・フィルポット(Jane Philpott)予算庁長官が相次いで辞任する事態に見舞われている。

 ウィルソンレイボールド氏は先月の下院司法委員会で、リビアでの政府事業の受注をめぐる贈賄の疑いを掛けられたSNCラバランの訴追手続きに対する介入を試みたトルドー氏とその側近らから、「遠回しな脅迫」を含む「不適切な」圧力を受けたと証言していた。(c)AFP