【3月7日 AFP】先日のメキシコ・オープン(Abierto Mexicano TELCEL Presentado Por HSBC 2019)で接戦の末に敗れた後、対戦相手のニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に苦言を呈していた男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は6日、今も同選手が持つ才能に大きな敬意を抱いていることに変わりはないと話した。

 メキシコ・オープンに大会第1シードとして臨んだナダルは、2回戦で3本のマッチポイントを逃した末にキリオスに敗れた。ナダルにフルセット勝ちしたキリオスはそのまま勝ち上がり、最終的に1年以上ぶりとなるツアー優勝を果たした。

 しかし、四大大会(グランドスラム)通算17勝を誇るナダルは試合直後、対戦中に体調不良を訴えたり、アンダーサーブを打ったりした上に、自身を応援する観客をあざ笑う態度を見せたりしたキリオスについて「世間や対戦相手、そして自分自身に対して敬意を欠いている」とコメントしていた。

 この日、ナダルはBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2019)の会場で報道陣に対し、自身のコメントは翻訳されていく中で本来とは異なるニュアンスで受け止められてしまったかもしれないとした上で、キリオスに対する評価は以前からほとんど変わっていないと語った。

 ナダルは「ニックは名指しで言われたと思ったかもしれないが、彼に対して必要以上に否定的なことは何も言っていない」と述べ、自身のコメントはアンダーサーブとは無関係であり、それが敬意を欠いたものだとは一切思わなかったと補足した。

 また「こうしたことは試合の一部だと理解しているし、ゲームとしては面白いと思っている。でも、彼がもっとうまくできる部分もあると思う」と語り、キリオスの態度が若い選手にとって悪い手本になってしまうことを恐れていると付け加えた。

「誰でもやりたいことを自由にやる権利があるが、結局のところ、彼には新しい世代に対する影響力があると思う」「彼は若く名の通った選手だ。個人的な意見では、僕らは子どもたちに良い価値を示さねばならないと思う」

 一方、39ランクアップして世界33位に浮上したキリオスは先週、ナダルの意見に耳を貸すつもりはないと話していたが、ナダルは「聞いた話では、彼はかなり個人的に受け取ってしまったようだ。僕自身は見ていないけど、彼がSNSで何か書いていたと誰かが言っていた」と話した。(c)AFP/Rebecca BRYAN