【3月6日 AFP】カナダのクリスティア・フリーランド(Chrystia Freeland)外相は5日、中国政府がカナダの大手農業企業に対する同国産キャノーラ(セイヨウアブラナの一種、キャノーラ油を採る)の対中輸出許可を取り消したことを批判した。

 輸出許可の取り消しは3月1日付で、カナダの農業大手リチャードソン・インターナショナル(Richardson International、本社ウィニペグ Winnipeg)に対するもの。

 自身もキャノーラ農家の娘であるフリーランド外相は、「リチャードソン社の状況を大いに懸念している」と述べ、「われわれは今回の措置には科学的根拠がないと考えている」とした。

 産業統計によると、カナダの昨年のキャノーラ輸出額は50億カナダ・ドル(約4200億円)を超え、ほぼ半分に当たる約500万トンが中国向けだった。カナダの農家は販売先を失ったキャノーラを持て余す恐れがある。

 カナダ当局は昨年12月、米国の要請を受けて中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)を逮捕した。それ以降、カナダ・中国間の対立が高まる中、今回の許可取り消しは新たな論争の火種となっている。(c)AFP