■医療砂漠

 フランスでは、全人口の8%が暮らす約9000か所の小都市で、一般開業医の数が不足している。黄色いベスト運動が大きな支持を集めるモンタルジでは、新たな患者を引き受ける一般開業医は一人もいないと住民らは話す。

 地元出身の国会議員で、自身も心臓専門医であるジャンピエール・ドール(Jean-Pierre Door)氏は「誰もかつての休日なし、1日20時間労働だった医師のようにはなりたがらない」と話す。

 マクロン大統領は最近、医師の増員を目指す医学部改革を発表した。だが、ドール氏によれば「医師の養成には12年かかる」。

 モンタルジでは、地区一帯の住民15万人に対して病院は1か所しかない。130人の医師が働いているが、救急医療は依然、人手が足りない。「15年前、この病院では年間1万5000人の患者を扱っていたが、今では6万人だ。しかも、病院での待ち時間は平均5~6時間だ」とドール氏は話す。

 一般開業医が不足しているため、救急外来を受診する患者の60%以上が、耳の炎症や処方箋の更新といった一般外来で対応できる処置のために来院する。