【3月3日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動は2日、16週目を迎え、マクロン氏に圧力をかけ続けるデモがフランス全土で行われたが、またしても破壊行為や暴力沙汰が発生した。

 パリでは、警官隊が「防御弾発射装置(LBD)」を用いて発射したとみられるゴム弾がデモに参加していた男性の顔面を直撃。パリ警察はこの件に関する内部調査を開始したと明らかにした。LBDの使用をめぐっては、殺傷力なはいものの、これまでデモ参加者に重傷者が出ていることから物議を醸している

 南西部ボルドー(Bordeaux)では、デモに参加していた左派「不屈のフランス党」の地元議員が警察に警棒で殴られたとして提訴した。

 内務省発表によると、仏全土のデモ参加者総数は、先週末の4万6600人から減少した約3万9300人で、このうち4000人がパリのデモ参加者だった。だが、デモ主催者側は、政府は黄ベスト運動が支持者を減らしていると見せかけようとしていると主張し、一貫して公式発表の参加者数に異議を唱えている。

 パリのデモに参加した年金生活者のミュリエルさんは、参加者数の減少を認めるかのように「いつもほど人数は多くはない」と述べた上で、「それでも、私たちはデモの場にいる。それが重要なのです」と付け加え、「このままでは状況は改善されない。だから、私たちは絶対にあきらめません」と強い意志を示した。

 昨年11月17日に黄ベスト運動が始まって以来、デモとの関連でこれまでに11人の死者が出ている。一方、毎週末のデモ参加者数は初回の28万2000人から減少を続けている。(c)AFP/Alexandra DEL PERAL and France bureaux