■消費者金融は誘惑多い 若者は消費を控えよ

 ネット金融の返済に苦労した大学生の高梓豪(Gao Zihao)さんは、「ネット金融を使い始めると、過度な消費をするだけでなく、消費に対する感覚そのものが変わる。それに、宣伝を見ているうちに、お金を使えば自分の趣味や夢が実現できるかのような思いになる」と回想する。

 若い世代を狙ったネット金融は、この数年で猛烈に伸びた。中商産業研究院(Zhongshang Chanye Yanjiuyuan)の「18~23年中国インターネット消費者金融業界市場展望と投資機会研究報告」では、17年のネット金融の取引規模は30兆元(約491兆円)を超え、対前年比の伸び率は33%だった。18年は40兆8000億元(約668兆円)に達し、伸び率は19%になると予測している。

 中国人民大学(Renmin University of China)の劉俊海(Liu Junhai)教授は、若者の過度な消費のまん延が、個人、家庭や社会にとってリスクになるほか、養老年金体制にもリスクをもたらすと考える。

 螞蟻金融服務(アントフィナンシャル、Ant Financial)と富達国際(Fidelity International)が共同発表した「18年中国養老体制調査」では、35歳以下の若者の56%はまだ老後資金の貯蓄を始めておらず、一部の若者は貯蓄ゼロや高額負債を負っている状態だった。

 劉教授は、「ネット金融業界は若者を過度な消費に誘うような行為を慎むべきだ。さもないと商業倫理や法規にも違反し、消費者金融業界にも悪影響を及ぼしてしまう」と警告する。(c)東方新報/AFPBB News