張副処長によると、センザンコウのエサは単一で、主にシロアリを採食するが、天然のシロアリを確保するのは難しく、代替の人工飼料も依然として模索中だという。さらに臆病でストレスを感じやすいため、保護されても摂食を拒否することが多く、薬の投与もままならないと説明する。

 政府公式のデータによると、18年以来、広西林業局の30回以上の収容・救護活動によって保護されたセンザンコウは約400匹。そのうち現在までに生きている個体は成獣で約90匹と幼獣6匹で、生存率は約20%だ。また前年17年の生存率は、たったの6%だった。

■なぜ野生に返さないのか

 人工的なセンザンコウの生存率が低いのなら、なぜ自然に返さないのか。

 張副処長は、「マレーシアセンザンコウは本来、広西地域には生息していない。国内ではいわゆる『外来生物』になるため、中国の野生動物保護法の規定でも野外に放すことができない。国境をまたいで原産国の自然に返すには、国レベルの組織による対応が必要になるが、近いうちに実現することはまず難しい」と話す。また、広西の気候や湿度などの自然条件がマレーシアなど東南アジア地域と大きく異なるため、センザンコウを広西に放すにしても自然環境条件が好ましくないという。

 張副処長によると、現在、広西の林業部門は国内の動物保護専門家を招き、省レベルでセンザンコウ救護の専門チームを設立することや、常に2人以上の獣医で治療にあたるなどガイドラインの策定を計画しているという。マレーシアセンザンコウのほかに、中国のセンザンコウも救護の対象にしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News