【3月18日 CNS】新学期の時期、中国・貴州省(Guizhou)貴楊市(Guiyang)にある眼科病院では、検査を受ける子どもを連れた保護者が廊下に長蛇の列をなしている。「冬休み期間中、多い日は1日で200人以上が受診にきます」。眼科医は児童の診察に追われながら記者にそう話した。

 2018年の児童・青少年の視力不良率はそれぞれ、小学生で45.7%、中学生74.4%、高校生83.3%、大学生86.4%。うち85~90%が近視で、近視の小学生は中国全土で1億人を超える見込みだという。

 貴陽市婦幼保健院の眼科主任で、青少年近視要望管理センター主任の朱健華(Zhu Jianhua)医師は、「スマホやタブレットPCなど電子製品の普及で、眼鏡をかける子どもが多くなり、近視はすでに児童の健康的成長に影響する重要な要因になっている」と話す。また過度に電子製品に接し、食事がバランスを欠いていたり、外で遊ぶ時間が少なくなったりすることも、視力低下の原因になっているという。その中で、あまりにも早く電子製品を使用することが、近視の低年齢化を招く原因の一つだという。

 朱医師は、特に就学前の児童に対する電子製品使用規制や、保護者同伴であれば極力、子どもに電子製品の使用を控えさせるなど提案している。また、学校では目の病気や視力に問題を持つ集団に対して実施する検査(スクリーニング)システムを構築し、モニタリングなど児童の近視を科学的に予防・管理する必要があるとしている。

 貴州省疾病予防・管理センターの何琳(He Lin)所長は、「科学的に子どもたちの眼を保護しようという健康意識が低い保護者が多い。宣伝力を強化し、子どもに眼を守る良い習慣を身につけるように教育すべきだ。また、政府も児童・青少年の近視における総合的な予防管理を重視し、視力の健康記録ファイルの確立や、スクリーニングなどそれぞれの患者に合った予防・治療案を提供しなければならない」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News