【2月24日 AFP】情勢不安が続くインドネシア東部パプア(Papua)州で、児童・生徒数百人が戦闘を逃れて避難したと、地元の非政府組織(NGO)が明らかにした。同地では、独立派ゲリラによって民間人の建設作業員が殺害された事件を受け、軍事的な報復措置が取られたとの報告があるものの、今のところ確認されていない。

 パプア州では昨年12月、人里離れた森林地帯にあるキャンプで、政府の関連事業に携わる作業員16人が独立派ゲリラに殺害された。これを受け、装備が貧弱かつ組織化されていないゲリラと、強力なインドネシア軍との、散発的ながらも数十年にわたって続く衝突が一気にエスカレートした。

 NGOや地元の教育当局者によると、この事件後に衝突が相次いだことを受け、同州ンドゥガ(Nduga)県当局は400人を超える児童・生徒を、隣接するジャヤウィジャヤ(Jayawijaya)県の中心地ワメナ(Wamena)に避難させたという。

 NGO「ンドゥガのための人道ボランティア(Humanitarian Volunteers for Nduga)」の関係者はAFPに対して、「一部の子どもたちはトラウマ(精神的外傷)を負っている」と述べ、「軍服姿の兵士らが学校にやって来た際、(恐怖で)逃げ出した子どももいた」と明かした。

 兵士らが放火や嫌がらせをしたり、家畜ばかりか民間人を殺したりしているとの訴えもある中、地元住民や活動家らによると、他にも多くの住民が隣接県に避難したか、森林地帯に逃げ込んだとみられるという。

 地元の軍司令官は、子どもたちが避難した事実を認める一方、理由は軍の存在ではなく、域内の教員不足だと説明している。

 NGO関係者によると、授業はテントの中で行われており、子どもたちは親族の家に滞在。児童・生徒と一緒に教員約80人も避難したという。

 パプア州の教会指導者や活動家らと連絡を取り合っているという、弁護士のベロニカ・コマン(Veronica Koman)氏は、ンドゥガの軍事作戦で避難を余儀なくされた人々は少なくとも1000人に上ると指摘。「インドネシア政府は軍事作戦を命令したものの、国内避難民への支援は全く行っていない」と語った。(c)AFP/Harry PEARL in Jakarta with Staf STEEL in Wamena