【2月19日 東方新報】世界三大映画祭の一つとして知られるベルリン国際映画祭(Berlin International Film Festival)の授賞式が16日に開かれ、王小帥(Wang Xiaoshuai)監督の最新作「地久天長(So Long, My Son、「さらば、息子よ」)」で主演を務めた俳優の王景春(Wang Jingchun)と女優の咏梅(Yong Mei)が最優秀男優賞と最優秀女優賞である「銀熊賞」をそれぞれ獲得した。同映画祭で同一作品から男優賞と女優賞を同時に受賞したのは、中国映画史上で初めての快挙だ。中国国際放送局(CRI)が報じた。

 王景春は1973年新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)生まれ。上海戯劇学院(Shanghai Theatre Academy)演技学科を卒業。14年の出演作「薄氷の殺人(原題:白日焰火)」がベルリン最高賞の「金熊賞(Golden Bear)」に輝くと同時に、同作品で主演を務めた廖凡(Liao Fan)が中国人俳優として初のベルリン最優秀男優賞を手にした。今回の王景春の同賞受賞は中国人俳優として、廖凡に次ぐ2人目。

 咏梅は1970年生まれで、蒙古族出身の女優。これまで、侯孝賢(Hou Hsiao-hsien)監督の「黒衣の刺客(原題:刺客聶隱娘)」などの話題作に出演してきたが、久々の主演作で存在感のある演技を見せた。咏梅のベルリン最優秀女優賞受賞は、1992年の張曼玉(Maggie Cheung)、1995年の蕭芳芳(Josephine Siao)についで中国人女優としては24年ぶり3人目。

 今年は、コンペティション部門の最高賞「金熊賞」にイスラエル出身のナダブ・ラピド(Nadav Lapid)監督作「シノニムズ(Synonyms)」が選ばれた。さらに、パノラマ部門に出品された中国人女性監督、相梓(Xiang Zi)の新作「再見,南屏晩鐘(A Dog Barking at the Moon)」が、LGBTQをテーマにした映画に与えられるベルリン国際映画祭の独立賞のひとつである「テディ賞(Teddy Award)」の審査員特別賞を受賞している。(c)東方新報/AFPBB News