【3月29日 東方新報】阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding)が経営するネット販売の生鮮スーパーマーケット盒馬鮮生(Hema Xiansheng)は、「グリーンマーケット計画」を発表し、「産地から食卓まで」の生産流通過程を改善することでプラスチック使用量を徹底的に削減すると宣言した。

 同計画は「消費」「回収」「供給」の3要素で構成され、その使用量減少の目標を3800トンとしている。

 このうち、ソーシャルモバイルゲーム「螞蟻森林(Ant Forest)」と連動した温室効果ガス削減運動だけで、1277万枚のプラスチック袋の使用削減が予想される。環境に配慮した購入を消費者に促すため、消費者が盒馬アプリで購入した商品の精算時にプラスチック袋を買わなければ、毎日21グラムのエコエネルギーポイントがもらえる仕組みだ。

 盒馬の宅配荷物では、紙箱と粘着テープがほぼ使われなくなった。今年から、水産物の倉庫で使用される使い捨ての発泡スチロール箱が、水を入れたまま搬送できる再利用可能な「水車」に置き換わる。盒馬の加工センターから出る生ごみは、集中管理で廃棄され、青果類の包装も改善される。

 盒馬スーパーマーケットの根仙(Gen Xian)市場総監は、「今後1年でプラスチック消耗品の半分以上、発泡スチロール箱250万箱以上、紙の消費1億枚以上を削減できる」と語った。

 また、ごみのスマート回収装置「章魚回収」とのタイアップで、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)と北京、上海の店舗にプラスチックのスマート分別回収機を設置した。消費者はスマホでスキャンするだけでプラスチックの分別に参加できる。このような新機軸の自主回収方式は、多くの盒馬ユーザーの関心を集め、試験実施の2店舗では始めて2か月ですでにプラスチックボトル1700本以上、プラスチック1400キログラム以上を回収した。

 プラスチックのうちペットボトルは、平均9本で「環境保護スカーフ」1本に再生される。

 現在このプラスチック回収機は北京市の15店舗、上海市の8店舗、杭州、寧波(Ningbo)両市で計8店舗に配置され、今後1年以内に全国の盒馬全店舗に配置される予定だ。

 プラスチックは、環境に対する最大の脅威の1つだ。ごみゼロ生活運動を推進する団体「GoZeroWaste」が翻訳した雑誌「国家地理」の記事によると、過去1世紀近くで人類は69億トンのプラスチックごみを排出し、そのうち8割近くがごみ埋め立て場や自然の中に蓄積されている。回収されているのは9%にとどまり、プラスチック生産量は今でも増加を続けている。プラスチックごみは自然には分解されにくく、環境破壊の元凶であることは今や社会の常識だが、一方で現代人の生活の必需品でもある。プラスチック使用量を削減する上で、企業の責任は重大であり、また削減の道のりは遠い。(c)東方新報/AFPBB News