【6月14日 東方新報】今年の世界環境デー(6月5日)のテーマは、「プラスチック汚染をなくそう」。国連環境計画(UNEP)は、このままでは50年には海の中のプラスチックごみが魚類よりも多くなってしまうと予想している。

■太平洋の「第8の大陸」

 海のごみ回収プロジェクトを目的とした非営利組織(NPO)の「The Ocean Cleanup」の科学者が3月、米・カリフォルニア(California)とハワイ(Hawaii)の間に堆積している大量のプラスチックごみを調査した。この周辺のごみは、「第8の大陸」と呼ばれる太平洋の「ごみベルト」で、7.9万トンもあることがわかった。99.9%はプラスチックで、大きさ5センチ以上の物が4分の3以上を占めた。

 1970年代から2015年の間にこの地域に急速に堆積したとみられるプラスチックごみは、ほとんどが体積の大きな廃棄物や、すでに分解されたプラスチック片だ。2011年に日本で起こった津波も影響しているという。

■北極海の臨時「貯蔵庫」

 プラスチック汚染は太平洋にとどまらず、地球全体に広がっている。独アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所(AWI)は4月の研究で、かつてはきれいだった海氷は、プラスチック微粒子の臨時の「貯蔵庫」と化していると発表した。

 直径5ミリ以下のプラスチック粒子は、海氷の移動とともに北極海に拡散されていく。1立方メートルの海氷に含まれるプラスチック粒子は240個に上るという。

■「プラスチック汚染をなくそう」

 世界で1年に消費されるプラスチック製袋は5000億枚、世界で売られるペットボトルは毎分100万本に上るといわれている。
世界で生産されるプラスチックのうち、回収され再利用されているものは、たったの9%で、残りの約55億トンは埋められるか、自然の中に捨てられるかだ…。

 プラスチック包装のほとんどは最終的に海に流れ込み、人類の視野から消えてしまうが、まるで幽霊のように、さまざまな形で人類に影響を及ぼし続ける。現在、海中のプラスチックはプランクトンの2分の1に匹敵する量になっている。

 海は、地球の半分の酸素を生み出している。海を殺すことは自分を殺すことにつながる。一人ひとりが日々立ち向かわなければならない問題だ。(c)東方新報/AFPBB News