【2月19日 AFP】ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード(2019 Laureus World Sports Awards)の授賞式が18日、モナコで行われ、男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が年間最優秀選手賞に選ばれ、女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)が最も躍進した選手に贈られるブレークスルー賞を受賞した。

 通算4度目のローレウス賞受賞となった31歳のジョコビッチは昨年、肘のけがを乗り越えて見事に復活を果たし、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)を制して四大大会(グランドスラム)2勝を記録した。

 今年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)でも優勝を果たしたジョコビッチは、サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)でフランスの優勝に貢献したキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)や、米プロバスケットボール(NBA)のスーパースター、レブロン・ジェームズ(LeBron James)ら有力候補を抑えての受賞となった。

 女子テニスでグランドスラム通算9勝を誇る同胞のモニカ・セレシュ(Monica Seles)氏や、自転車トラックレースで合計6個の五輪金メダルに輝く英国のクリス・ホイ(Chris Hoy)氏ら、68人のアカデミー会員が投票する同賞の受賞を喜んだジョコビッチは、「昨年は信じられないシーズンだった。けがから復帰してウィンブルドンと全米オープンで優勝できたことは、生涯忘れないだろう」とコメントした。

 現在は米国市民として暮らしているセレシュ氏から賞を授与されたジョコビッチは、身体面と同様に精神面でも長い道のりだったと振り返り、「こうしてここに立っているのはおとぎ話のようだけれど、一つ言えることがある」「逆境や困難に直面しているときは、常に自分自身を見つめる必要があるということだ」と話した。

「以前はそのことを完全には理解できていなかった。だけど今は常に自分の強さや信念を見いだし、前進していくことができる」

 一方、ジョコビッチと同じく今年の全豪オープンでタイトルを獲得し、女子の世界ランク1位となった21歳の大坂は、昨年の全米オープンでグランドスラム初制覇を成し遂げるなど大躍進を果たし、日本人選手として初のローレウス賞を受賞。テニス界にとっては2人の受賞者を出す輝かしい一夜となった。

 女子の年間最優秀選手賞には、米体操選手のシモーネ・バイルス(Simone Biles)が通算2度目の栄冠に輝いた。21歳のバイルスは、昨年の第48回世界体操競技選手権(48th FIG Artistic Gymnastics World Championships)で自身4度目の個人総合優勝を飾る歴史的快挙を達成するなど、メダルの数をさらに増やした。

 カムバック賞には、男子ゴルフでメジャー通算14勝を誇るタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が選ばれた。けがや私生活の問題で長らく勝利から遠ざかっていたウッズだが、昨年はザ・ツアー選手権(THE TOUR Championship 2018)で見事な復活優勝を果たしたほか、第147回全英オープン(The 147th Open Championship)と第100回全米プロゴルフ選手権(2018 PGA Championship)でメジャー制覇まであと一歩に近づく好成績を挙げた。

 サッカー界では、W杯制覇を果たしたフランス代表が年間最優秀チーム賞を受賞。同国の代表指揮官で現役時代に出場した1998年W杯でも母国に優勝をもたらしたディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が、チームスタッフらと出席して賞を授与された。

 デシャン監督の同胞で、イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)で20年以上指揮官を務めたアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)氏が、在任期間の初期に同国サッカー界に革新をもたらす功績を築いたとして生涯功労賞を受賞した。

 また、一般投票で選ばれる年間最優秀スポーツモーメント賞には、40年前にエベレスト(Mount Everest)で凍傷などにより両脚を失いながらも、昨年5月に再びエベレスト登頂に成功するという偉業を達成した中国人登山家、夏伯渝(Xia Boyu)さんが輝いた。(c)AFP/Pirate IRWIN