【2月15日】スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相(46)は15日、カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立問題に絡んで予算案が議会で否決されたことを受けて、総選挙を4月28日に前倒しで実施すると発表した。4年足らずのうちに3度目の総選挙となる。

 昨年議会で保守派の政敵マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)前首相に対する不信任案が可決され、社会労働党(PSOE)のサンチェス氏が後任に就任。以後8か月間、同氏は難しい政権運営を強いられてきた。

 不安定な少数与党を率いるサンチェス首相は、議会では急進左派のポデモス(Podemos)やバスク(Basque)自治州の独立派、とりわけ17議席を持つカタルーニャ独立派の支持に頼らざるを得なかった。

 2017年のカタルーニャ独立運動への関与で当時の指導者らに対する公判が行われる中、これに抗議するカタルーニャ独立派の議員らが13日、右派議員らと共に政府予算案に反対した。

 複数の世論調査で、今度の総選挙を制するのはサンチェス首相の社会労働党という予想が出ているものの、同党がポデモスと組んだとしても議会で過半数を獲得できる公算は小さい。

 その一方で、カタルーニャ独立派に対する強硬姿勢で最近支持を伸ばしている前与党の国民党(PP)や中道右派のシウダダノス(Ciudadanos)、極右のボックス(VOX)の議席を合わせれば過半数に達する可能性があるとみられている。(c)AFP/Marianne BARRIAUX