#MeTooウイグル、親族らの生存示す映像の公開を中国当局に要求
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【2月13日 AFP】中国でイスラム教を信仰するトルコ系少数民族ウイグル人が大量拘束されている問題で、ウイグル人らがハッシュタグ「#MeTooUyghur(私もウイグル人)」を掲げた運動をインターネット上で立ち上げ、連絡が取れない親族が生きていることを示す映像を公開するよう中国政府に要求した。
中国におけるウイグル人への処遇をめぐってはトルコが9日、ウイグル人の民謡歌手アブドゥレヒム・ヘイット(Abdurehim Heyit)氏が中国北西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の「再教育キャンプ」で拘束中に死亡したと主張し、中国当局を強く非難。
これに対し中国側は11日、ヘイット氏を名乗る男性が元気だと語る映像を公開し、トルコの主張を否定した。
中国当局による映像公開を受け、フィンランド在住のウイグル人活動家ムラット・ハリ・ウイグル(Murat Harri Uyghur)さんは12日、#MeTooUyghurを用いたキャンペーンを立ち上げた。
ハリさんはAFPに対し、「中国当局はヘイット氏が生きている証拠だとして映像を公開した。ではわれわれは知りたい、数百万人のウイグル人たちはどこにいるのか」と語った。
キャンペーン発足後、ソーシャルメディアでは世界中のウイグル人がハッシュタグを用い、行方不明になっている家族や友人の写真と共に身の上を案じるメッセージを投稿。ハリさん自身も両親が拘束された経験があり、昨年解放されたという。
中国には1000万人を超えるウイグル人が住んでおり、その多くが新疆ウイグル自治区で暮らしている。国連(UN)の専門委員会によると、うち100万人近いウイグル人や他のトルコ語系少数民族が裁判などの法的措置を経ずに同自治区の強制収容所に収監されている。
中国当局は当初、ウイグル人らの拘束を否定していたものの、現在は「職業訓練所」に入所させていると主張している。
米国を拠点とする活動家ルーシャン・アッバス(Rushan Abbas)氏によると、中国では電話などの連絡手段は当局の厳しい監視下にあり、在外ウイグル人の多くは中国国内にいる家族や友人と何年も連絡を取れずにいる。アッバス氏自身も、「職業訓練」に送られたとみられる医師のきょうだいの映像を公開してほしいと中国当局に訴えている。(c)AFP