【2月6日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)のブーヘンバルト(Buchenwald)強制収容所の跡地にソーセージ博物館を移転する計画がドイツで物議を醸していたが、5日、計画を白紙とする決定が下された。ユダヤ系団体はこの決定を歓迎した。

 先週、ブラートブルスト博物館(Bratwurst Museum、ブラートブルストはソーセージの一種)の運営団体は、同博物館をミュールハウゼン(Muehlhausen)の収容所跡地へ移転し、ホテルも併設するとの計画を発表。

 しかし、ブーヘンバルト追悼財団(Buchenwald Memorial Foundation)の関係者が、再開発計画は「配慮」と「歴史認識」に欠けると非難するなど、激しい抗議の声が上がっていた。

 これを受けて博物館側はウェブサイトで、「ドイツ史の暗黒期」に関連した場所に観光施設を建設するとの当初発表について謝罪した。

 現在ホルツハウゼン(Holzhausen)近郊にある同博物館の年間来場者数は約5万人。パンに挟まれたソーセージや、ソーセージの形をした巨大な大砲の像などが目を引く。

 独中部テューリンゲン(Thuringia)州に位置するミュールハウゼンは、1937年から1945年にかけて約25万人が収容されたブーヘンバルト強制収容所の一部だった。ブーヘンバルトでは、ナチスによる殺害や病気、寒さや餓えで5万6000人が死亡したと推定されている。(c)AFP