【2月7日 AFP】アルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2019)は6日、スウェーデンのオーレ(Are)で男子スーパー大回転が行われ、イタリアのドミニク・パリス(Dominik Paris)がノルウェーのアクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal)ら強豪選手を抑えて優勝した。

 オーストリアのシュラートミング(Schladming)で開催された2013年大会の滑降で手にした銀メダルが、自身にとって世界選手権で唯一のメダルとなっていたパリスは、1分24秒20のタイムを記録し、いてつく寒さと視界が利かない全長約2.2キロメートルに及ぶオリンピア(Olympia)の難関コースを制し、今大会でも最も予測不可能なレースの一つとされていた予測を裏切らなかった。

 パリスと0.09秒差の2位には38歳のヨアン・クラレイ(Johan Clarey、フランス)が入り、同タイムでビンセント・クリヒマイヤー(Vincent Kriechmayr、オーストリア)と銀メダルを分け合って世界選手権最年長のメダリストになった。

 29歳のパリスは絶好調を維持した状態で今大会に臨んでおり、W杯ではイタリア・ボルミオ(Bormio)大会の2勝に続いてオーストリア・キッツビューエル(Kitzbuehel)で今季3勝目を記録したほか、表彰台にも3度上がっている。

 ヘビーメタルの大ファンで米国のバンド、パンテラ(Pantera)から刺激を受けているというパリスは、自身で曲も書いており、「そう、きょうも自分の音楽を聴いていた。そうすると、リラックスして集中できるんだ」とコメントすると、今回の勝利が作曲にひらめきを与えるかどうかは分からないと付け加え、「新曲を書くときには、頭をクリアにする時間が必要なんだ」と話した。

 パリスは今回のコースについて、「本当に難しくてスピードが速く、自分好みのコンディションではない」とすると、「この明るさだと、限界まで攻めることは難しい。こぶが見えないし、それが旗門の間にあることも多いから、足元の音を聞きながら状態を確かめるようにしていた」と振り返った。

「最高の気分だよ。シーズンの中でも重要なレースに勝ち、自分にとってすごく特別な日だ。メダルを獲得することが最も大きな夢の一つだった。中でも金メダルは最大の目標だ」

 今大会を持って現役を引退するスビンダルは、パリスから0.92秒遅れの16位に終わっている。(c)AFP/Luke PHILLIPS