【2月6日 AFP】アルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2019)が5日、スウェーデンのオーレ(Are)で開幕し、女子スーパー大回転ではミカエラ・シフリン(Mikaela Shiffrin、米国)が優勝して大会1勝目を飾った。一方で、今大会限りでの現役引退を表明しているリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)は転倒による途中棄権に終わった。

 シフリンも途中、氷点下18度の寒さで固くなったコースに足を取られたが、そこを乗り越えて1分4秒89の記録をマーク。平昌冬季五輪の滑降金メダリストであるソフィア・ゴッジア(Sofia Goggia、イタリア)との争いを100分の2秒差で制して優勝を飾った。

 0秒05差の3位にはコリーヌ・スッター(Corinne Suter、スイス)が入り、こちらも4位のビクトリア・レベンスブルク(Viktoria Rebensburg、ドイツ)を0秒02上回った。

 シフリンは「しばらくは実感が湧きそうにない。クレイジーだった」「本当に接戦で、4位まで100分の7秒差。こういうレースは厳しい。ほんの少しの差だった」とコメントした。

「きょうは戦いだった。みんなギリギリまで攻めているのが分かった。コースが最高の状態だったから思い切りいけた」「リスクと良いターンとの絶妙なバランスが必要だった。それでも自分はすごく積極的だったし、本当に危なかったのは終盤の1か所だけだった」 

 平昌でスノーボードとスキーの歴史的な2冠を達成したエステル・レデツカ(Ester Ledecka、チェコ)は、序盤の二つのミスが響き、1分7秒69と大きく遅れてのフィニッシュとなった。

 それでもレデツカが少なくとも完走はできたのに対し、これが現役最終戦となるボンにはそうした運もなかった。34歳のボンはレース後、ツイッター(Twitter)に「逆境が人を強くするのだとしたら、今の私はハルク(Hulk)のはずよ」と自分をマーベル・コミック(Marvel Comics)のスーパーヒーローになぞらえてコメントした。

 ボンはコース序盤のこぶの対処を誤って空中で旗門に接触し、激しく転倒してそのまま安全用ネットに突っ込んだ。その後はすぐに駆け付けた医療スタッフの手を借りて慎重に立ち上がると、自力で下まで滑り降り、フィニッシュラインでは観客の拍手を浴びた。(c)AFP/Luke PHILLIPS