【2月1日 AFP】米アップル(Apple)の自動運転技術の企業秘密を盗んだとして、米連邦捜査局(FBI)がアップルに勤務していた中国人技術者を逮捕していたことが分かった。
    
 カリフォルニア州の裁判所に提出された訴追請求状によると、陳継忠(Jizhong Chen)容疑者は1月、中国への渡航予定日の前日に逮捕された。容疑者は中国の自動運転車開発会社の求人に応募していたという。

 電気技師の陳容疑者は昨年6月にアップルに入社し、自動運転車のハードウエア開発チームに所属していた。
 
 昨年12月、陳容疑者はアップルから、勤務成績に改善すべき余地があると通告された。今年1月に陳容疑者が自動運転車開発に関する写真を撮影していることに同僚が気づき、上司に報告。内部調査の結果、陳容疑者が企業秘密を撮影したデータの他、図やマニュアルを含む2000以上のファイルを会社のパソコンから個人所有のパソコンにコピーしていたことが明らかになった。

 陳容疑者はアップルに対し、解雇された場合の「保険」として情報をコピーしたと主張したが、写真の中には6月に撮影されたものも含まれていたという。内部調査結果を受けて陳容疑者は停職処分となり、調査結果はFBIにも伝えられた。

 企業秘密の窃盗で有罪になれば、陳容疑者は最大で禁錮10年、罰金25万ドル(約2700万円)の刑を言い渡される可能性がある。昨年7月にも中国人のアップル元社員が自動運転車の機密情報を盗んだ容疑で起訴されているが、訴追請求状によると今回の件とは無関係とみられるという。(c)AFP