■「またすぐきてくれ!」

 拘置所そのものは警備が厳重でなく、外には有刺鉄線も警察官もいない。死刑囚もいる収容所というよりは、病院のようだ。

 待合室では、被収容者の面会に訪れた人が、料理番組や国会審議が流れる大型テレビの前に静かに座っていた。入り口のすぐそばには、被収容者のための物品を販売する売店がある。日本の公共の場の多くがそうであるように、職員も店員も極端に丁寧だった。

 ゴーン被告はたった15分で非常に多くの話題に触れ、家族や日本、日産への愛、裏切られたという気持ちや、自身の厳しい状況についても語った。15分は一瞬で過ぎ、記者らは最後の質問をねじ込もうとしたものの、ゴーン被告は穏やかに出口へと案内された。被告は「またすぐきてくれ!」と明るく言うと、自室へと連れ戻された。(c)AFP/Anne BEADE