【1月30日 AFP】(更新)日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告(64)は30日、逮捕後初めてのインタビューに応じ、日本経済新聞(Nikkei)に対し、自身の逮捕および起訴は日産関係者の「策略であり、反逆」の結果だと述べた。

 昨年11月19日の逮捕以降、ゴーン被告がメディアに語ったのは今回が初めて。インタビューは勾留先の東京拘置所で行われた。

 会社法違反(特別背任)の罪などで起訴されたゴーン被告は、自身に対する嫌疑が、アライアンス(企業連合)を組む仏ルノー(Renault)との経営統合に反対していた日産の一部関係者に動機付けられたことは「疑いようがない」と発言。これは「策略であり、反逆だ」と述べた。

 そして3社連合の日産とルノー、三菱自動車(Mitsubishi Motors)を「経営統合」する計画はあったが、「一つの持ち株会社の傘下で(各社の)独立性を確保する内容だった」と強調した。

 裁判所は逃亡や証拠隠滅の恐れがあるとして、これまでゴーン被告の保釈請求を2回却下している。これに対しゴーン被告は「私は逃げもしないし、しっかりと自分を弁護する」と強調。「証拠は日産がすべて持っており、社員との接触も日産が禁じている状態」だと同紙に述べた。

■「山あり谷あり」

 日産社内で「独裁者」だったとの批判にどう反論するかと尋ねられると、ゴーン被告は「一部の関係者が現実をゆがめるために、強いリーダーシップを独裁だと言っている。その目的は私を排除するためだ」と応じた。

 また日産の子会社を通じて、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)とレバノンの首都ベイルートで、豪邸を不正に購入したとの疑惑については、両国で「仕事をし、人を招待するための安全な場所が必要だった」と正当化。さらに購入には、法務部門の承認を受けていると強調した。

 勾留されている自らの状況については「山あり谷ありだ」と述べ、健康状態を尋ねると「大丈夫だ」と答えた。(c)AFP