【1月27日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は26日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)幹部に対する米国の身柄引き渡し要請を批判し、物議を醸していた同国のジョン・マッカラム(John McCallum)駐中国大使を解任したと発表した。

 トルドー首相は声明で「ジョン・マッカラム氏に対し、駐中国大使の職を辞するよう求め、辞職を承認した」と発表した。今回の決定の理由には触れていない。

 米国の要請で昨年12月にカナダのバンクーバー(Vancouver)で逮捕されたファーウェイの孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)に関するマッカラム氏の発言は、ここ最近大きなニュースとなっていた。

 中国で拘束されたカナダ人2人と、同じく同国で死刑を言い渡されて論議を呼んでいるカナダ人1人について、マッカラム氏は22日、カナダの国会議員らに説明。その後中国語メディアに対し、米国による孟容疑者の引き渡し要請には重大な欠陥があるなどと述べた。

 マッカラム氏の一連の発言については、司法案件に介入しないというカナダ政府の厳格な立場を損なう可能性があるとして、野党議員などから直ちに批判の声が上がった。

 マッカラム氏は翌日に声明を発表。発言は「失言だった」とし、混乱を招いたことを「遺憾に思う」と述べた。

 だが同氏は25日、現地紙「バンクーバー・スター(Vancouver Star)」に対し、米国が孟氏の身柄引き渡し要請を取り下げれば「それはカナダにとって素晴らしいことだ」と語っていた。(c)AFP