【1月25日 AFPBB News】「うそ」を「誠」に替え、今年の幸福を祈る「鷽(うそ)替え神事」が25日、東京・文京区の湯島天満宮(Yushima Tenmangu)で行われた。木彫りの人形「木鷽(きうそ)」を、昨年までの古いものを納める代わりに新しく買い求めようと、早朝から参拝客が長蛇の列を作った。

 この神事は、「天神様」としてまつられる菅原道真のご神託によって、これまでの悪いことをうそにして、「吉」に取り替えようと始まった。福岡県太宰府市の太宰府天満宮(Dazaifu Tenmangu)では室町時代から行われていたとされる。その年最初の天神様の縁日である1月25日に、全国各地で毎年行われている。

「木鷽」は、道真がハチの大群に襲われそうになった時にウソが窮地を救ったという逸話にちなむ。鳥のウソを模しており、頭を黒く、顔が赤く塗られているものが多い。湯島天満宮の木鷽は、大小2種類。高さ10センチほどのひょろっとした大きいサイズと、その半分の高さのずんぐりした小サイズで、胴体部分に木肌を残したデザインが特徴。毎年1万体を用意しているが、遠方から新幹線や深夜バスで駆けつける参拝客もおり、ほぼ1日で売り切れるという。

 千葉県浦安市に住む40代主婦は「昨年に子どもの受験がうまくいったのでお礼に」と、昨年に引き続き木鷽を購入した。(c)AFPBB News