【1月15日 AFP】男子テニスの悪童として知られるオーストラリアのバーナード・トミック(Bernard Tomic)が、母国の大先輩であるレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)氏に対して、「彼のことはもう誰も好きじゃない」と言い放ち、豪テニス界のシステムを台無しにしていると異例の猛攻撃を展開した。

 頭に血が上りやすい26歳のトミックは、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)の男子シングルス1回戦で敗れた後、男子の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2018)の主将で四大大会(グランドスラム)通算2勝を誇るヒューイット氏に対する不満をぶちまけた。

 波乱の2018年シーズンを送り、「俺がやるのは金を数えることだけだ」と豪語して猛反発を食らったトミックは、オーストラリアの男子テニス界に大きな分断があると強調した上で、「何もかもレイトンだ。本音を言うならば、彼のことはもう誰も好きじゃない」「彼のやっていることは間違っている。デビスカップでプレーするつもりらしいが、彼は引退したはずだ。この意味が分かるか?」と言い放った。

「彼はオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)が大嫌いだったはずなのに、おかしな話だ。今では彼らのことが大好きで、いったいどうなっている?」「彼は協会を他のことや資金源として利用しているんだ。そうさ、自分の給与のためにね」

 かなり前からヒューイット氏や豪テニス協会との関係がこじれているトミックは、自分や同胞のニック・キリオス(Nick Kyrgios)とタナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis)らが、「もはや(デビスカップで)プレーすることを望んでいない。彼(ヒューイット氏)がシステムを台無しにしているからだ」と明かすと、同氏に対して「どっか行けよ。文字通りな」「引退したのに、なぜ今もテニス界にいるんだ?」と吐き捨てた。

 37歳のヒューイット氏は、今回の全豪オープンで母国の後輩であるジョン・パトリック・スミス(John-Patrick Smith)とペアを組み、ワイルドカード(主催者推薦)で男子ダブルスに出場することになっている。先月の報道では、同氏が2月に行われるボスニア・ヘルツェゴビナとのデビスカップで、ダブルスに出場することを考えていると伝えられた。

 全盛期には自己最高の世界17位まで上り詰めたトミックは、デビスカップでは2016年を最後にプレーしておらず、ヒューイット氏が「選手ファーストではない」と主張。「彼はニックのことも、コキナキスのことも最優先にしていない。自分のことしか考えていないんだ」と批判した。

 これらの発言に対してヒューイット氏は現時点で反応していないものの、元指導者のロジャー・ラシード(Roger Rasheed)氏は、トミックのコメントには「根拠がない」とスカイ・スポーツ・ラジオ(Sky Sports Radio)でコメントしている。

「どんなときでも、コーチが好きな選手がいる一方で、自分は出場機会を与えられるべきだと考えながらも試合に出られず、コーチと対立してしまう選手がいる」「チームとコーチの関係というのはそういうもので、今回もそうしたことの一つにすぎない」 (c)AFP