【1月8日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で先週、仏教徒民族ラカイン人の武装集団が警察署4か所を襲撃した事件を受け、同国大統領府は軍に「取り締まり作戦の開始」を求めた。政府報道官が7日明らかにした。

 ラカイン州ではここ数週、ラカイン人の仏教徒の自治権拡大を要求する武装集団「アラカン軍(AA)」と治安部隊の衝突が発生。急速な暴力の拡大により、一帯では数千人が家を追われている。

 同州はミャンマーで最も貧しい地方の一つで、民族および宗教上の根深い憎悪がある。

 同州では2017年、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が軍の過酷な弾圧を受け、数十万人が隣国バングラデシュへの避難を強いられた。軍はこの行動について、ロヒンギャの武装勢力を一掃するための措置だったと正当化した。

 警察署襲撃は同国の独立記念日だった4日未明、バングラデシュとの国境に近い町ブティダウン(Buthidaung)で発生した。当局によると、攻撃は武装集団の戦闘員数百人が実施したもので、警官13人が死亡したほか、9人が負傷。その後に軍が警察の応援に駆け付けた。

 一方、アラカン軍は、戦闘員3人が死亡したと表明。さらに、軍が警察署を重火器の発射拠点に使ったと非難している。

 政府報道官は7日、首都ネピドーで記者会見し、「大統領府はすでに、反乱分子を取り締まる作戦を開始するよう軍に指示した」と発表した。

 国連(UN)人道問題調整事務所(OCHA)は同日、過去数週間の暴力行為により、約4500人が避難を余儀なくされていると表明した。(c)AFP