【1月5日 AFP】米軍は4日、イエメンで2000年に発生し、米兵17人が死亡した米海軍駆逐艦コール(USS Cole)爆破事件について、首謀者の一人がイエメンで死亡した可能性があると明らかにした。

 米中央軍(US Central Command)のビル・アーバン(Bill Urban)報道官は「米軍は1月1日、イエメンのマーリブ(Marib)州において、イエメンにいたアルカイダ(Al-Qaeda、国際テロ組織)工作員の残党、ジャマル・アルバダウィ(Jamal al-Badawi)容疑者に対する精密爆撃を実施した」と発表した。同報道官は、爆撃の結果の評価はまだ終わっていないと述べ、バダウィ容疑者の死亡確認作業を慎重に進めていることを明らかにした。

 コール爆破事件は2000年10月12日、イエメンのアデン(Aden)港で発生した。同艦が給油のため5~6時間停泊しようと入港した際、爆発物を積んだゴムボートが船体に突っ込み自爆。米海軍兵士17人と実行犯2人が死亡し、アルカイダが犯行声明を出した。

 この事件は、アルカイダと同組織創設者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者による初期の被害例と位置付けられている。犯行の中心人物とされるアブド・ラヒム・ナシリ(Abd al-Rahim al-Nashiri)容疑者は現在、キューバのグアンタナモ(Guantanamo)にある米海軍基地の収容施設で拘束されている。

 米連邦大陪審は2003年、米国民や米軍要員の殺害を含む50件のテロ関連の罪でバダウィ容疑者を起訴した。同容疑者はコール爆破事件でボートと爆発物を調達したとされるほか、2000年1月に複数の共犯者と共に米海軍艦艇の襲撃を試みた罪にも問われている。

 米連邦捜査局(FBI)はバダウィ容疑者を最重要指名手配犯に指定し、逮捕につながる情報の提供者に500万ドル(約5億4000万円)の報奨金を出すとしている。FBIによれば、同容疑者は襲撃に関連してイエメン当局に拘束されたが、2003年4月に脱獄。2004年3月に再度拘束されたものの、2006年2月に再び脱走した。(c)AFP