■気候変動の被害者

 今回の排水プロジェクトの費用は740万ドル(約8億2000万円)と、近隣の富裕国や国際援助に依存する貧困国のネパールにとっては膨大な額となった。昨年の同国の国内総生産(GDP)に占める国際援助の割合は12%に上っていた。

 今回は、発展途上国における環境問題に対する取り組みを支援する地球環境ファシリティ(Global Environment Facility)が費用の8割を、残りはUNDPが支援した。

 人口2600万人のネパールの経済規模は微々たるもので、二酸化炭素排出量も中国やインドのような近隣の大国と比べるとほんのわずかだ。この隣接する2か国だけで、世界人口の約3分の1を占めている事実からも、ネパールとの規模の違いは容易に見て取れる。(c)AFP/ Paavan MATHEMA