【12月25日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)は24日、今年に入って国外逃亡を試みた後、行方不明となっていたラティファ(Latifa)王女の写真を公開した。ラティファ王女をめぐっては、自身の家庭に課された制約を理由に国外へ脱出すると本人が語る動画がユーチューブ(YouTube)に投稿されており、人権団体がUAE側に所在を明らかにするよう求めていた。

 ラティファ王女はUAE副大統領でもあるムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid Al-Maktoum)ドバイ首長の娘。王女は今年3月、国外に逃亡しようと隣国オマーンに移動し、そこからヨットに乗って海に出たもののインド海軍に確保され、UAEに連れ戻されたものとみられている。

 UAE外務省は国営首長国通信(WAM)を通じ、今月15日に撮影されたラティファ王女がアイルランド元大統領のメアリー・ロビンソン(Mary Robinson)氏と一緒にいるところだとする写真を公開し、声明で「ロビンソン氏はドバイ滞在中、ラティファ王女が必要な手当てや支援を受けていると確認した」と発表した。

 ロビンソン氏は1997年から2002年まで国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の高等弁務官を務めている。

 ラティファ王女はユーチューブに今年3月投稿された動画に登場し、自身の家庭に課された制約を理由に国外へ脱出すると表明。この動画は、王女の国外逃亡が失敗したことが明らかになった後、投稿されていた。

 UAEは写真公開および声明発表について、「虚偽の主張に反論し、ラティファ王女がドバイの自宅で家族と暮らしている証拠を示すもの」だとしている。(c)AFP