■悪影響受けやすいのは子どもと高齢者、屋外作業者

 サマータイムに反対する動きは、世界各地で起きている。時間を変更することによるマイナス効果が強調され、テクノロジーが進歩した今、こうした節電対策は的外れだとする批判もある。

 反対派は、時間の変更によって体内時計が狂い、健康に悪影響が出ると主張。とりわけ子どもや高齢者は影響を受けやすく、また屋外で作業する人は最も大きなダメージを受けるとしている。農業関係者からは、時間変更が家畜に悪影響を及ぼしているとの声も上がっている。

 環境も、考慮すべき要因の一つだ。夏季には日照時間が増え、それに合わせて交通量も増えるため、大気汚染が深刻化する。

■各国で試行錯誤

 第2次大戦後、米国の占領下にあった日本では1948年にサマータイムが導入されたが、主権を回復した1952年に廃止された。

 中国でも1986年に季節的な時間変更が提案されたが、試験的導入でも結論には至らず、1991年に同一時間を採用することが改めて決定された。

 ロシアでは、1917年に初めて導入されたが、その後は新たな試みやそれに対する反対運動が繰り返され、2014年に通年ウインタータイムを導入することで最終的に落ち着いた。

 ベラルーシやアイスランド、アルゼンチンではすでに廃止されている。チリでも2015年に廃止されたが、翌年には復活した。サマータイムをめぐっては、今でも世界は意見が割れている。(c)AFP/Camille CAMDESSUS