【12月23日 AFP】フランス各地で22日、燃料税引き上げへの抗議に端を発した反政府デモ「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動が行われた。先月17日に一連のデモが始まってから6度目の土曜日を迎え、参加者は前週よりさらに減少した。デモに関連した交通事故で10人目の死者が出た。

 仏内務省は、22日夕までの全国のデモ参加者は約3万8600人で、前週の土曜日(15日)の約6万6000人よりさらに減少したと発表した。内務省によると22日は全国で220人が拘束され、うち81人は警察に連行された。先月17日は全国で約28万2000人がデモに参加していた。

 フランスとスペインの国境付近では数百人が高速道路料金所の周囲に集結して交通を妨害した。現場にいたAFPカメラマンによると、警察は催涙弾を使用し、デモ参加者らは橋まで後退した。

 検察当局によると、地中海沿岸の都市ペルピニャン(Perpignan)で夜間に、抗議デモ参加者が高速道路入り口に設置したバリケード付近で止まっていたトラックに乗用車が衝突し、乗用車を運転していた人が死亡。一連のデモが始まった先月17日以降で10人目の死者となった。

■年末商戦への影響も

 参加者がよく目立つ黄色いベストを着るのが特徴のジレ・ジョーヌ運動は、燃料税引き上げへの抗議から次第にエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策と統治スタイルに抗議する全国的な運動へと変化してきた。

 22日のパリでは前週の約4000人を下回る約2000人が市内各地で行われたデモに参加。パリ警察は142人を拘束し、19人を警察に連行した。激しい衝突が起きた今月これまでのデモと比べると比較的平穏だった。

 アニエス・パニエリュナシェ(Agnes Pannier-Runacher)経済・財務相付副大臣は仏テレビBFMに、フランスの店舗の売り上げは前年同期比で平均25%落ちているとの報告があると述べた。クリスマス商戦への影響が懸念されている。(c)AFP/Alexandra Del Peral and Loic Vennin