【12月21日 AFP】フランスで暴力に発展した反政府デモ「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動に続き、署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ(Change.org)」で115万人が燃料税増税によらない環境汚染防止策の提案に署名したことを受け、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は20日、市民の意見は「もっともだ」などとする回答を寄せた。

 マクロン氏は、チェンジ・ドット・オーグでの署名は「市民の活動」だと述べ、同サイトに「私はあなたたちのメッセージを聞いた。直接対応しよう。あなた方の言うことはもっともだ」と書き込んだ。

 さらに署名した人たちに対して、政府が計画していた燃料税増税は中止され、この冬のガスと電気料金の値上げは見送られたと改めて強調した。

 マクロン氏は、気候変動の要因である化石燃料の消費削減は必要だとしながらも、「ジレ・ジョーヌ」運動で示された生活費の高さや毎月のやり繰りの困難さへの国民の怒りを踏まえて、「世界の行く末の問題と市民が月末に直面する問題を対立させてはならない」とした。

 11月初めに起こった「ジレ・ジョーヌ」運動によるこれまでの死者は、20日にデモが行われていた仏南西部アジャン(Agen)の高速道路A62号線で大型トラックにひかれて死亡した男性(60)を含め9人になった。(c)AFP