■弁護士と保釈金立て替え業者も便乗

 テキサス大学(University of Texas)経済学部名誉教授のウィリアム・グレード(William Glade)氏は、法律事務職、いわゆる弁護士らの仕事について「今、どんどん上向いてきている業界だ」と述べる。「わが国の裁判所制度を考えれば、(移民問題に関わる)弁護士は仕事に困らない状況となっている。彼らはこの機に乗じ、こうした状況が長く続く方法を見つけ出そうとするはずだ」

 事実、テキサス州の荒涼としたメキシコ国境沿いにある、マッカレン(McAllen)、ヒダルゴ(Hidalgo)、エルパソ(El Paso)、ラレド(Laredo)、トーニロ(Tornillo)などの街では、不法移民問題が地元経済を動かしている。町の通りには、「必要なのは署名一つ」との宣伝文句を掲げる移民問題専門の弁護士事務所や、怪しげな金融機関が、カウボーイブーツを売る店や占い師の店に混じって軒を連ねているのだ。

 またエルパソには、保釈金立て替え業者の店が市内の至るところにある。一般的な犯罪行為での手数料は保釈金の約10%だが、不法入国となるとその値段は跳ね上がる。ある業者は手数料を20%に設定していた。

 大半の不法入国者のケースでは保釈金は1万~1万5000ドル(約110万~165万円)に設定されているが、匿名で取材に応じた保釈金立て替え業者は、現在、保釈金2万5000ドル(約275万円)のケースを1件請け負っていることを明らかにした。

 保釈された不法入国者は、当局による追跡が可能となるよう足首に電子式の足輪を装着される。この足輪を当局に販売しているのも、GEOグループ系列のBIインコーポレーテッド(BI Incorporated)だ。

 この足輪をいくらで販売しているのか、AFPは同社のエルパソ支社に取材を申し込んだが、コメントは得られなかった。(c)AFP/Leila MACOR