【12月19日 AFP】アフリカ南東部マラウイのチルワ湖(Lake Chilwa)西岸カチュル(Kachulu)の漁港は、たった4か月前まで、その日の収穫物の値段交渉をする漁師や商人でにぎわっていた。

 ゾンバ(Zomba)から東に約30キロにあるこの地は、かつては魚が豊富に捕れる場所として知られていた。だが、今では湖底がむき出しになり、何百そうもの漁船が茶色く乾き、ひび割れた地面に放置され、コンドルが上空を飛び交っている。

 地元の村人によると、定期的に発生していた干ばつの頻度が高まっており、地元の人々は移住を余儀なくされ、仕事も失っているという。専門家は、干ばつの深刻化は気候変動が原因だと指摘する。

 マラウイ湖に次いで国内で2番目に大きな湖であるチルワ湖は水深が浅い塩湖で、季節ごとに水位が変化する。

 チルワ湖について27年間研究してきたソステン・チオタ(Sosten Chiotha)教授(環境学)は、チルワ湖の水量は現在6割減っていると推測している。同氏は、「1990年代から湖の干ばつの頻度が高くなっているが、これは気候変動による異常気象と関係している」と指摘した。

 チルワ湖周辺には、150万人が住んでいる。環境保護団体「ワールドフィッシュ(Worldfish )」の研究者であるナゴリ氏はAFPの取材に対し、チルワ湖の主な水源となっていた山々が森林伐採によって破壊されてしまったと説明した。

 チルワ湖の漁獲量は、国内生産の約3割を占めていた。このため、干ばつにより国内の飢餓問題も悪化の一途をたどっている。(c)AFP/ Jack McBrams