■特権階級のためのトランスヒューマニズム技術

 トランスヒューマニズムの賛成派と反対派の間で意見の一致がみられるのは、人々が望む未来について慎重に検討する必要性があること、そして開発中の技術に与えるべき役割についてだけだ。

 サセックス大学のホイットビー氏は、「私が懸念しているのは、世界がすでに驚くほど不平等であり、その傾向がますます強まっていることだ」と話す。

 そして、「トランスヒューマニズムの技術は、ほんの一握りの超富裕層が有する特権の一部だ。超富裕層の人々が自分たちをさらに裕福にするためにこの種の技術を利用するようになることを、私は懸念している。このような未来を、われわれは望んでいるのだろうか」と疑問を投げかけている。(c)AFPLaurence COUSTAL