【12月19日 AFP】イタリア北部ジェノバ(Genoa)で40人以上の死者を出す崩落事故が起きた高架橋の架け替えを、地元出身の世界的な建築家レンゾ・ピアノ(Renzo Piano)氏(81)が手掛けることが決まった。地元当局が18日、ピアノ氏の案を採用したと発表した。総工費は2億200万ユーロ(約260億円)と見積もられている。

 高速道路の一部である高架橋、通称「モランディ(Morandi)橋」は今年8月、200メートルにわたって崩れ落ち、車などが巻き込まれて43人が死亡、数十人が負傷した。

 港町ジェノバ出身のピアノ氏は9月、無報酬で建て替える橋の原案を提出していた。同氏はその際、新しい橋について「1000年は持つ。鋼鉄製になる」と説明。ジェノバらしさを演出する「ボートの要素」を取り入れ、流線形で白を基調としたデザインになると述べていた。

 ジェノバのマルコ・ブッチ(Marco Bucci)市長は18日の記者会見で、ピアノ氏の構想が尊重されるよう本人にプロジェクトの監督を依頼したと語った。建設契約は、ピアノ氏の案に基づく計画を提出した地元3社の企業連合が受注した。

 ピアノ氏は、建築家のリチャード・ロジャース(Richard Rogers)氏と共同で設計したパリのポンピドー・センター(Pompidou Centre)や、同じくパリのパレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)などを手掛け、存命のイタリア人建築家としては最も有名。(c)AFP