【12月15日 AFP】米中西部ウィスコンシン州の共和党の現職知事が14日、民主党の後任知事の権限を制限する一括法案に署名した。後任の知事は裁判で争う意向だ。

 法案は先週、共和党知事の任期が迫ったウィスコンシン州議会によって可決された。共和党議員らは、来年1月に就任する民主党の後任知事との権力バランスの均衡化のためと主張している。

 11月に行われた中間選挙では、現職のスコット・ウォーカー(Scott Walker)知事を民主党のトニー・エバーズ(Tony Evers)氏が破った。同州は2016年の大統領選挙でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の勝利に貢献した激戦州の一つで、中間選挙の敗北は共和党にとって打撃となった。

 しかし今回可決された法案により、後任知事が規則や政策を設定する権限は制限されることになる。

 この法案をめぐっては、議会で共和党が多数派を維持しながらも中間選挙で民主党の知事候補が当選した州で、共和党議員らが新知事の権力を認めないために行っている組織的な働き掛けだとの批判が上がっている。

 ウォーカー現職知事は、「デマやヒステリーが広がっているが、これらの法案は基本的に行政権限を縮小するためのものではない」と主張。一方のエバーズ氏は新法について裁判で争う意向を表明しており、共和党議員は「狭量な政治闘争」をしていると批判している。

 ウィスコンシン州では先週、議会がこの法案について議論するなか、多数の人々が州都で抗議デモを行った。ミシガン州でも今週、共和党が過半数を占める議会で民主党の後任知事の権限を制限する法案が可決され、同様の抗議デモが行われた。(c)AFP