【12月8日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の個人弁護士を長年務めたマイケル・コーエン(Michael Cohen)被告が、トランプ氏陣営に対してロシアから協力を提案されていたのは、これまで考えられていた時期より早い2015年の段階だったことが分かった。2016年米大統領選にロシアが干渉した疑惑の捜査を指揮するロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が提出した文書で明らかになった。

 大統領選でのロシア共謀疑惑の捜査を指揮するモラー特別検察官が提出した文書は、コーエン被告が「自身の不正行為を正し、自らの行動の責任を引き受け、(特別捜査に)役に立てるよう実際に相当の努力」をしてきたと述べている。

 同文書は、コーエン被告が7回の聴取に応じ、捜査の助けとなる「適切で、正しい情報」を提供し続け、「聴取の多くは長時間に及び、(被告は)捜査チームにいつでも応じられるようにしている」と主張。さらに、同被告は、選挙運動中にロシア側と接触したことや、ロシア側がトランプ陣営に接近を試みたこと、2017~2018年に「ホワイトハウス(White House)につながりを持つ人物」との接触についての情報提供を行ったと述べている。

 同文書によると、2015年11月ごろにコーエン被告が、ロシアで「信頼されている」と主張する人物と話をしたところ、この人物が大統領選での「政治的な相乗効果」と「政府レベルでの相乗効果」を持ち掛けてきたという。

 3年前の11月といえば、トランプ氏が出馬を表明してから5か月ほどが経過した頃で、これまでにロシアとの接触が取り沙汰されてきた時期よりかなり早い。

 コーエン被告によるとこの人物は、トランプ氏とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との会合を「繰り返し提案」し、この会合によって「政治のみならずビジネスの面でも」「驚くべき」影響力を持ち得るだろうと主張したものの、同被告は「この誘いを実行に移すことはなかった」という。

 一方、銀行詐欺と選挙運動資金の違反に関しては、コーエン被告は昨年8月、司法取引に応じて罪を認めていたが、これらの罪状について検察当局は、4年から5年に相当する禁錮51~63月の「十分な」刑期を求めた。(c)AFP/Jennie MATTHEW, with Paul HANDLEY