■「新たな異常」

 南カリフォルニアの裕福な居住エリアから雄大なヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)に至るまで、同州では今年、「メガファイア」とカテゴライズされる大規模森林火災が4件発生している。米消防当局は焼失面積4万ヘクタール以上の火災事象をメガファイアと定義している。

 4件のうち、「キャンプファイア」の規模が最も大きく、焼失エリアはシカゴ市の面積を上回った。この4件の他にも、メガファイアのカテゴリを若干下回る大規模火災が2件発生している。これら2件の焼失面積はともに3万9000ヘクタールだった。

 こうした現状について、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン(Jerry Brown)知事は、「これは新常態ではない、新たな異常だ」と述べ、温暖化や干ばつがその深刻度をさらに増すと警告する最新の研究データに触れながら、今後20年はこの異常が続くだろうと強い口調で語った。

■地中海性気候

 カリフォルニア州森林保護・防火局(Cal Fire)のマット・ディアス(Matt Dias)氏によると、同州では今後5年間の予算のうち約10億ドル(約1140億円)を防災に割り当てているという。予算の多くは、防災教育や火災の抑制活動に使用される。同氏は、植物などの燃焼物除去といった抑制活動が、防災プログラムではカギになると説明している。

 だが専門家の多くは、火災リスクを低減する手段として、森林内の住宅建設に関する規制の強化を求めている。

 最近の研究では、米国にある住宅の約3分の1が、原野と人工的に開発された地域との中間エリアに位置しており、そこでは住宅と森林植生とが混在していると報告されている。こうしたエリアは、「Wildland–urban interface」と呼ばれている。

 ディアス氏は、「私たちカリフォルニアの住民は、ここが地中海性気候(と同様)であるということを理解する必要がある」と指摘し、「火災はこの土地における自然の営みの一つだ。気候に関する問題は今後も続く。大規模火災の問題も同じように続くだろう」と述べている。(c)AFP/Rob GLOSTER