【11月25日 AFP】(更新、図解追加)シリア北部のアレッポ(Aleppo)で市民ら100人前後が呼吸困難に陥り、病院に搬送された。国営メディアやNGOなどが25日、伝えた。政府軍が掌握するアレッポでは、前日に反体制派が「毒ガス」を撃ち込んだとの情報もある。

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 国営シリア・アラブ通信(SANA)は25日、呼吸困難に陥った人数を更新し、107人と報じた。

 国営メディアは24日夜、アレッポに「毒ガス」で攻撃を仕掛けたとして反体制派を非難。保健当局者は、「おそらく」塩素ガスによる攻撃との見解を示していた。

 一方、英国を拠点とするNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は計94人が病院に搬送されたが多くは既に退院し、入院中の31人も重症ではないと伝えた。

 アレッポではAFPのカメラマンが24日、呼吸困難の症状により病院で手当てを受ける男女や子どもたちの姿を目撃している。患者たちは酸素マスクをあてがわれ、座り込んだり、横になったりしていた。

 シリア政府軍を支援するロシア国防省も25日、反体制派がその前日に、塩素ガスを含んだ化学兵器をアレッポで使用したと発表。

 ロシアの通信社の報道によると、同国国防省のイーゴリ・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)報道官はブリーフィングで、「初期情報として、特に被害者らは有毒物による症状を示していることから、アレッポの住宅地に撃ち込まれた砲弾には塩素ガスが詰められていたことが確認された」と語った。

 同報道官によれば、子ども8人を含む46人が化学物質にさらされ、病院に搬送されたという。

 これに対し、隣接するイドリブ(Idlib)県に拠点を置くシリア反体制派の非過激派組織の主要同盟「国民解放戦線(National Liberation Front)」は、毒ガスによるものとされる攻撃への関与を一切否定した。(c)AFP