【11月23日 AFP】中米エルサルバドルの文化庁は22日、マヤ文明の古代遺跡「ホヤデセレン(Joya de Ceren)」で初めて人骨を発見したと明らかにした。

 首都サンサルバドルから北方約35キロに位置するホヤデセレンは、1400年以上前に発生した火山噴火により埋没した村で、やはり火山の噴火で地中に埋もれたイタリアの古代都市ポンペイ(Pompeii)にちなみ「マヤのポンペイ」とも呼ばれる。

 今月初め、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されているこの遺跡から、保存状態は悪いものの人骨が見つかった。

 考古学者のミシェル・トレド(Michelle Toledo)氏はこの人骨について、ホヤデセレンに住んではいたが、紀元前535年ごろに発生したロマ・カルデラ(Loma Caldera)火山の噴火で死亡したわけではないと推測。

 トレド氏はその理由として、火山噴火で生じた白色細粒火山灰の存在を挙げ、研究者らはメソアメリカ文明の古典期後半の人骨とみていると説明した。

 ホヤデセレンでは40年以上発掘活動が続けられてきたが、人骨が発見されたのは今回が初めて。

 イタリアのポンペイやヘルクラネウム(Herculaneum)同様、極めて良い状態で見つかったホヤデセレンの遺跡は、マヤ人の儀式や農業、交易、政治、食生活など、生活様式を理解する上での貴重な手掛かりとなっている。(c)AFP